鉄道発祥記念碑とエドモンド=モレルの肖像

横浜の歴史散歩
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横浜市中区内田町1(根岸線桜木町駅構内)

JR桜木町駅の改札口の手前の右の壁にエドモンド=モレルの肖像(しょうぞう)がある。彼は1870(明治3)年、初代鉄道建築師長となって、誠意をもってその任務に当った。その人柄は伊藤博文も激賞したほどである。モレルのもとで鉄道の基本計画・測量・コースなどが検討され、準備が進められた。しかし滞在わずか1年半で病死し、今も山手の外人墓地で、夫人とともに眠っている。

駅の改札口を出て、関内方面に線路に沿って約100m行くと、地下鉄入口がある。その付近に昭和42年に建てられた鉄道発祥記念碑(てつどうはっしょうきねんひ)がある。鉄道開業の頃に使われたレールを柱に、鋼鉄をはり、そこに当時の横浜駅の風景や時刻表・乗車心得などが刻まれている。

1870年から建設工事が始められ、1872年5月7日、横浜・品川の間の最初の汽車が走った。「横浜ステンショ」は現在の桜木町駅である。開通時の運賃は上等1円50銭、中等1円、下等50銭であった。(当時、米10Kgで36銭)。また横浜・品川間を約35分(新橋・横浜間53分)で走る早さで「観る者、其神妙に速かなるに感ぜざるはなし」と、人々は弁当持参でこの陸蒸気(おかじょうき)を見物したという。当時の鉄道略則を見ると、「乗車せんと欲する者は遅くも発車十五分前にステーションに来り、切手買入れ・・・・」と、いかめしい。なお同年9月12日(新暦では10月14日)、新橋・横浜(桜木町)間が開通した。1915(大正4)年、2代目横浜駅が高島町付近につくられ、それまでの「横浜ステンショ」は桜木町駅と改称され、一時は貨物駅になったこともあった。

新橋・横浜間開通の時、明治天皇が臨幸され盛大に開業式が挙行された。この時、神奈川県権令大江卓(ごんれいおおえたく)は、横浜の家ごとに国旗と日の丸ちょうちんを掲げさせて祝ったという。大江が金をつかわずに、お祝いする苦心の末考え出した方法だったのである。これがなかなか好評で、祝祭日に国旗を掲げることが正式に採用されることになったわけである。

参考 神奈川県の歴史散歩 山川出版社 1996

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