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消えた横浜娼婦たち -港のマリーの時代を巡って-:檀原照和

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消えた横浜娼婦たち -港のマリーの時代を巡って-:檀原照和

この本は、作家の檀原照和さんが、横浜の娼婦を書いたノンフィクションである。

「1859年の開港から2005年までの横浜娼婦をノンフィクションで書いた、時代と共に変化していく横浜娼婦の背景が書かれた教科書だ!」
開港前の飯盛女から開港の為の公娼、そしてチャブ屋の私娼、最近のパフィー通り等をそれぞれが書かれた本はあるが、この本のように時代の流れを追って全て取り上げている本を、私は他で見たことがない。過去の資料を丁寧に調べ、また檀原照和さん本人が足を運び、その後の事実を突きとめる姿勢に感動する作品でした。

本サイトでも、本牧関連で「チャブ屋」を掲載していますが色々と参考にさせて頂いている、いわば参考書となり本当に、お世話になっております。

特に、メリーさんを取り上げた著書では有名ですが檀原照和さんご本人が調査した内容が驚きの連発です。個人的には、本牧に興味があるので「お浜さん」を知りたかったのですが、これも檀原照和さんが調査して詳細に渡り書かれていて、とても参考になりました。お六さんや、お吉さんの事までふれています。

実は、「娼婦」というキーワードになると、なかなか過去の資料がないものなんです。少ない資料を読んでみると、微妙に内容が違っていたり著者の思いで事実が削られていたり、誇張されていたりするのです。その過去の資料を集め読み解き時系列にされていて、話題になったその後まで調査されており明確になっているのです。

この「消えた横浜娼婦たち」を読み終えると、色々な妄想(事実確認なし)が始まってしまいました。

1.「唐人お吉」と「遊女喜遊」は、どこかですれ違っていないか?
お吉が喜遊より5歳年上です。1858年の「日米通商条約」で、お吉はハリスと一緒に江戸や神奈川まで来います。その頃、喜遊は江戸の吉原にいたので、江戸ですれ違っていないのか?(ないだろうけど)

2.「唐人お吉」は、1870年前後、鶴松と元町の下田長屋に住んだと云われています。鶴松と別れて、下田に帰るが1878年以降に東京や横浜に来ている。う~ん、でも喜遊さんは、1862年に亡くなっているので会っていないか・・・

「四丁目には、らしゃめん長屋があり、下田にいた唐人お吉も元町に住んでいたといいます。山下町の芥六の娘さんのおろくさんは唐人お吉に会ったことがあると言ってました」(「中区わが街」)

この、「おろくさん」って、上海お六さん?う~ん、お吉さんが亡くなったのは、1891年で「上海お六さん」が生まれたのは、1893年だから、全然違うし。では、この「山下町の芥六の娘さんのおろくさん」って誰?

3.「上海お六」さんが、本牧に来たのが、1945年だから52歳!これは、事実です。では、「メリケンお浜」さんとは、すれ違っているのか?お六さんがお浜さんより2歳年上です。お浜さんが50歳だから、もう本牧にはいなかったけど、横浜で飲み屋やっていたから会ってるかも知れない。そんな事実もありませんが・・・上記2.の「お吉さん」と「お浜さん」を間違えてないか?

4.「メリケンお浜」さんが、本牧のキヨホテルにいた当時、「谷崎潤一郎さん」が1921年に隣に引っ越してきたから絶対に会っているよね!当時、お浜さん27歳、谷崎潤一郎さん35歳、この記録もないけど絶対に会っていると思います。

きりがないので、この辺で・・・

更に、もっともっと情報が沢山書かれていて、横浜娼婦の歴史を知りたい人には、絶対におすすめの本です。開港時代、幕末というと表面の歴史は知られていますが、こういう裏と言いますか、あまり伝えられていない、知る機会が少ない事が知れてとても楽しめます。

それも、ノンフィクションですから!

詳細は、本書をご覧頂ければと思います。目次だけ見ても、このボリュームと内容が伝わってくると思います。

「目次」

序章 洲干島
・異人来迎
・港崎町
・「開港町の遊び女たち」のルーツは千葉県
・らしゃめん
・らしゃめんと妊娠
・たび重なる移転
・チャブ屋のはじまり
・本牧のチャブ屋
コラム 千葉と横浜のつながり

第一章 メリケンお浜とチャブ屋の物語
・メリケンお浜
・文化燗熟の時代
・本牧のクイーン
・バカ浜
・梅原北明との対決
・戦時下
・終戦後
・真金町時代のお浜
・お浜の最期
コラム 互楽荘の悲劇

第二章 ヨコハマ・ノワール
・なにが起きても不思議じゃない所
・そこら中パンパン宿だらけでした
・租界だったチャイナタウン
・本牧の女たち
・ジャズ・エイジ
・根岸屋の夜は更けて
・消えた「口なしの女達」
・国際港の表と裏
・海賊船
・幻想の香港、虚栄の横浜
・ノスタルジックな残骸
コラム ミナトヨコハマの「霧」はなぜ消えたのか

第三章 白塗りメリーの物語
・港のマリー
・白い老女
・「カム・ヒア・メリー!」
・シルクセンター
・必ず胸元から一万円のピン札を出すんです
・メリーさんは芝居好き
・あの頃は船がいっぱい来てたんですよ
・パール食堂
・あのあたりは華やかな社交場だったんですよ
・皇后陛下が立っている、敬礼!
・メリーさんのブリーチ
・一切手を触らせませんでした
・時代は変わる
・東京、カッペね
・伝説の幕開け
・象徴的な符合
・幻の映画
・第二次ブーム
・メリーという名の由来
・真っ白い履歴書
・生身のメリーさん
・老いた体に盛装を
・元次郎さん
・本名は公然の秘密
・どうしてマンションとか買わなかったんでしょうね?
・帰郷
・大晦日のしきたり
・岡山
・映画「カルメン故郷に帰る」のような
・娼婦になったのは個人的な理由
・学歴と結婚
・伝説は海辺から遠く離れて
コラム 上海お六

第四章 大岡川の向こう側
・清水の湧く町
・「高架下」の起源
・寿町への移動
・売春防止法成立、そして
・変狼の兆し
・国際化のなかで
・悪所の華
・うたかた

あとがき
初出一覧
参考文献 個人的には、この参考文献が、とてもありがたく感謝いたします。

檀原照和(2009) 『消えた横浜娼婦たち -港のマリーの時代を巡って-』 データハウス

WEBサイト:http://yokohamamerry.jugem.jp/

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